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旧車のフロントブレーキを分解

フロントブレーキ
長期間走行していなかったため、ブレーキが引きずりぎみで重いのでブレーキキャリパーを分解オーバーホールしてみる事にしました。

MS102クラウンのフロントブレーキですが、しっかりディスクブレーキです。ローターは放熱性に優れたベンチレーテッドディスクではなく、ソリッドのディスクです。

走行は4万キロ程なので、ローターの磨耗は殆どありませんが、ご覧の通りローターが錆びて若干巣穴があいたような状態になってしまっています。 

旧車ブレーキキャリパー分解

年式が古くて走行距離が少ない車の場合、内外装などは綺麗で程度が良いですが、ブレーキ廻りは逆にいたんでいる場合が多いのです。

 ディスクローターは非常に錆び易く、湿気などですぐに錆びてしまいます。ローターに水をかけると数時間で赤く錆びてしまう程です。

多少錆びても、少し走行すればキレイに錆びは落ちてしまいますが、何ヶ月も動かないと錆びはかなり進行してしまいます。

そしてディスクパットの当たる部分だけは空気に触れないので錆びません。

状態がひどくなると、ブレーキを踏んだ時、ペダルが「ガクガク」と振動するようになったりします。

その場合、ローターを交換するか、表面を研磨すれば直ります。

 ブレーキキャリパーも、長期間乗っていない車は、ピストンが固着してしまったり、パッドの動きが渋くなったり、状態が悪くなってしまいます。

この車も、右のキャリパーのピストンの動きが悪く、ブレーキの引きずりが出てました。 これでは、ブレーキが焼けて危険でもあるので、キャリパーのオーバーホールをすることにしました。

旧車のキャリパー

MS102クラウンのフロント ブレーキキャリパーですが、 対抗ピストンキャリパーじゃないですか!

ベンツのキャリパーにそっくりです。 現行車のキャリパーは、だいたいピストンは一つで片側はツメになっていて、パットが減るとキャリパーごとスライドするようになっています。

ブレーキの効きはどうか知りませんが、両サイドからピストンで押す、対抗ピストンのほうが片側ピストンより安定性も高いし、グレードは上なのではないでしょうか!  

キャリパーリペアキット ブレーキパット

ピストンシールキットとブレーキパットです。

パットは、EGC211スカイライン用とパッケージに書いてあります。 部品を注文した、ブレーキライニング屋が言うには、 当時は、キャリパーを制作しているメーカーが少なく、トヨタも日産も、クラウンもセドリックもデボネアも同じキャリパーを使っていたそうです。 キャリパーには「SUMITOMO」と書いてありますが、「DUNLOP」製と言う事です。

シールキットや、ブレーキライニングはまだ大丈夫だけど、パットが生産中止しているメーカーが多いという事です。でもまだ部品は入手出来そうです。  

キャリパーリペアキット ブレーキパット

キャリパーを分解したところです。

予想では、もっと錆びていて腐食しているだろうと思っていましたが、よく整備されていたようで、全く錆びなどなくキレイな状態でした。

エンジンオイルは定期的に交換しても、ブレーキオイルはあまり交換されていない場合が多いです。 ブレーキオイルは吸湿性があるので、長期間交換しないとオイルに水分が混ざってキャリパー内部などの金属部分が錆びてしまいます。

ブレーキパットを交換したときに、ブレーキオイルも交換する場合が殆どですが、もう少し短いサイクルで交換したほうが良いです。

ブレーキ オイルの交換は、ブレーキマスターのリザーブタンクの中だけ交換してもダメです。

エアー抜きの要領で、パイプ内やキャリパー内の古いオイルを押し出さないと意味がありません。結構、茶色く汚れているものです!  

ローターの虫食い

どうやらブレーキの引きずりは、キャリパーピストンの固着ではなく、ローターの錆びによるものようです。

ブレーキローターは、研磨による修正で表面を完全にキレイにできますが、削る分ローターが薄くなってしまいます。

虫食いみたいになっているので、かなり削らないとキレイな面になりそうにありません。 この先、部品入手が難しいので、削って薄くするのは、部品の寿命を縮めることになります。

ローターの虫食い

そこで、研磨ディスクで正面をキレイにしました。 このディスクは、金属面をあまり削らずに塗装剥がしや錆びが取れる便利物です。 錆びは取れても、虫食いまでは取れませんが、穴明きのディスクもある事だし、気にしなければ問題無しです。

ブレーキを踏むと、ブレーキパットはピストンに押されて、横にスライドします。 ですから、パットがスライドする時に、当たる面が錆びていたり段付きになっているとスムーズにスライドできません。

旧車ブレーキキャリパー分解

現行の車の場合、スライド面に金属製のシムが入っているので、減ったりすれば交換できますが、この車の場合スライド面がキャリパーに、じかに接しているので、段付き磨耗していれば、ヤスリなどで修正する必要があります。

スライドピンも錆びていればキレイに磨き、パットのスライドの抵抗にならないようにすることが肝心です。

ブレーキパット交換は、整備工場でなくともカーショップなど、いろんなところでやっていると思いますが、 まあ、この辺のことを全く無視すれば、左右10分もあればパットの交換は出来てしまいます。

ブレーキに限らず、車の整備全てが、どこでやっても同じ結果になると言うことではないって事です。

最近はユーザー車検などの影響で、車に対する整備自体が、昔に比べると甘く見られているように感じますね!・・  

スプリング破損 スプリング製作

画像は、スライドピンの抜け止めのスプリングなんですが、一本折ってしまいました! てっきりベンツと同じ、打ち込みだと思い、スライドピンを叩いて打ち抜いてしまいました。

当然両サイドが折れて短くなり使い物になりません。 部品も簡単に見つかると思えなかったので、作る事にしました。

材料は他の車のブレーキ部分にある、同じ材質で太さも同じ物を使い、あぶって曲げました。 右上が作った物です。

思ったより簡単でキレイにできました。(本物と遜色なし!)