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エンジン性能を診断するリークテスターの自作

リークテスター
エンジンの圧縮漏れを判断するには、通常コンプレッションゲージを使用しますが、もっと精密に圧縮漏れを計測できる便利なリークテスターを自作しましたのでご紹介します。

圧縮漏れの点検には、通常コンプレッションゲージを使用し圧縮圧力を計測します.。

しかしコンプレッションゲージで、正確に圧縮圧力を計る事は出来ないです。

実際にコンプレッションゲージをエンジンにセットして計測してみると・・・

ピストンが上がった瞬間に下がってしまいますし、次に上がった時は、排気バルブが開いてしまいますので、コンプレッションゲージの針は、一定の値を指しません。

実際に、コンプレッションを計ってみると、「圧縮圧力は、10キロくらい???」

・・・・という感じで、6気筒も計るうちに、バッテリーが弱ってきて、ますます「???」てな感じになってしまいます。

タイミングベルトが切れてバルブが曲がってしまった様な状態であれば、コンプレッションゲージでも圧縮のあるなしは判定できますが、微妙な気筒ごとの差はとらえられません。

長年乗った車の圧縮状態の判定はコンプレッションゲージではなく、圧縮がどの程度漏れているのかを計測できるテスター(リークテスター)が必要です。

簡単自作エンジンリークテスター

エンジンリークテスター

そこで、このリークテスターを自作しましたので紹介します。

自分で作るのは、難しそうに思われるかもしれませんが、意外と簡単です。
部品の調達も難しくありません!!

コンプレッションゲージ

 


製作には、まずコンプレッションゲージが必要です。 シリンダーに接続するホース部分のみを使用しますので、お手持ちのコンプレッションゲージを分解するか、安物で十分です。

 

エアバルブ

 


その他に必要な物は、圧力計とエアレギュレーターとコックくらいで、あとはそれぞれを接続するホースやアダプターぐらいで、ホームセンターで簡単に入手出来る物ばかりです。

 

オリフィス

 


作り方ですが、作ると言うより部品を接続するだけなので簡単です。

一番の難関は、空気の流量を絞る小さな穴(オフィス)を設ける事でしょうか。

私は、イモネジに0.8ミリの穴を開けて、通路にねじ込みましたが、バイク用のメインジェットなんかをうまく利用できるかもしれません。

とにかく、空気通路の途中に、針の穴くらいの絞りを設けます。

 

コンプレッションゲージ


オリフィスさえ出来れば、あとはオフィスの上流側と下流側にそれぞれ、圧力計をセット出来るようにし、シリンダーに行く手前にコックを設けます。

右からコンプレッサーのエアーが、レギュレーターからオリフィスを通って、コックからシリンダーへ送られます。

圧力計は、二つ付けても同じ事なので、ツインプレッシャーメーターを使う必要はありません。
ただし、二つ使う場合は、それぞれに誤差があるか事前にテストしておいたほうが良いでしょう。

エンジン診断機

 


テストする際、コンプレッサーからエアーをシリンダーに送る訳ですが、コンプレッサーに繋がないで、セルを回せば、普通のコンプレッションゲージとしても機能します。

さらに圧力をもっとかければ、シリンダーヘッドを外さずに、バルブステムシールを交換することも可能です。

私は、ハスコの「バルブコッターツール」を使用するときに、リークテスターをセットして、シリンダーにエアーを送るのに使用しています。

コックの開け閉めで、、必要ない時にエアーを止められるので便利です。

コンプレッションゲージより、いろいろ使えてはるかに便利です。

もっと詳しい仕組みや作り方を知りたい方は、

オールドタイマー「レストア入門マニュアル2」を読む事をお勧めします。

私もこの本を参考に読んでテスターを作りました。

この本を読むと、他にも参考になることがたくさんあるのですが、とにかく「創意工夫でいろんな事が出来てしまう!」ってところが凄いと思います。
120%お勧めです。