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タイミングベルトが切れてもバルブは大丈夫?(マツダMPV)

不具合の症状
セルは回るがエンジンかからず
不具合の予想
タイミングベルト切れによってエンジン始動できないのでは。

エンジンが始動しない!

との事で持ち込まれましたが、デスキャップを外してセルを回すと、ローターが回らない!

・・・カムが回っていないので、タイミングベルトが切れているようだ!
(オイルキャップを外してカムが見えれば、そちらでも確認できます。)

タイミングベルトが切れた場合、バルブとピストンが干渉して、バルブが曲がったりエンジンに、大ダメージを与える事もあります。

クランクを回転させてみると、いちようバルブには当たらないようで、スムーズに回転します。

バルブとピストンとのクリアランスはあるようですが、走行中に切れているので、何の疑いも無くベルトを交換するのも、ちと不安!

全部交換して、エンジンをかけたらやっぱりダメ!

・・・なんてのは最悪ですから、念のため事前にチェックしておきます。

タイベル切れでバルブは大丈夫?

タイミングカバーを外してみると、やはりベルトはぶっちぎれていました!

ちなみに走行距離は6万キロです!

距離はいってなくても、年数が経っていれば、切れる可能性も高くなります。


バルブの曲がりは、リークテスターで確認します。リークしていなければバルブはOKという事です。

カムを回転させて、バルブを閉じた状態にして計測します。

V6エンジンなので、プラグを外しやすい、右サイドの気筒から計測します。

タイベル切れでバルブは大丈夫?

右バンク手前、リーク量ー[1.0]


タイベル切れでバルブは大丈夫?

右バンク中間、リーク量ー[1.0]


タイベル切れでバルブは大丈夫?

右バンク奥、リーク量ー[0.8]


リーク量が[1.0]は少し多いように思いますが、3気筒が同じようなリーク量なので、問題なさそうです。

V6エンジンなので、左サイドの3気筒も計測すればよいのですが、
プラグを外すのが大変なので、やめておきます。

まあ大丈夫でしょう!多分ね!

なにもチェックしないで作業を始めるより、事前にチェックしておけば、
「部品を交換すれば絶対に直る!」。・・・と確信を持って作業できます!

自動車修理において、これって結構大事な事です!