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断線箇所の特定 (トヨタエスティマルシーダ)

不具合の症状
通常はアイドリングも安定しており全く問題ないが、
たまに、アイドリングが不調になりエンジンストールしてしまう事がある。
不具合症状は一時的に出 て、暫くすると直ってしまう。
不具合箇所の予想
常に症状が出る訳ではないので電気的なトラブル、あるいは機械的なトラブルなどあらゆる可能性があり、単純な故障だとしても原因特定に時間が掛かりそう!

試乗してみると、全く不具合症状は出ずに問題なしです。

通常は問題なく、なかなか不具合症状が出ない、いやなパターンである

エスティマEFIトラブル修理

とりあえずダイアグチェックしてみる。
すると、コード「41」スロットルセンサーを出力。

これはラッキー!意外と簡単に直るかも?


ダイアグでコードを記憶していると言う事は、一瞬でもセンサーからの情報が途絶えた可能性が高いので、配線廻りや、センサーを重点的に確認すると良い!かな?

まずダイアグコードをクリアーして、エンジンスタート。
その後もう一度ダイアグチェックして見ると、正常コードを出力。

やはり一時的な不具合で、現状では正常に作動しているようだ。

それでは、単に接触不良があるか、センサー自体の不良では?
スロットルセンサーのカプラを差し込みなおしてみるが、変化なし。

エンジンコンピューター廻りも良く観察してみると〜

配線に接続跡があるが、カーナビ用の車速信号線であるので無関係。
ECUのカプラも刺し込み直してみるが変化なし。

・・・と言うか、不具合現象が再現できない。エンジン絶好調である!

やはりスロットルセンサーが不良か!
エンジンをかけたまま、センサーのカプラを外してみる。

センサーが不良の場合、センサーのカプラを外して様子を見ると分かる場合があります。
今まで不調だったエンジンがセンサーのカプラを外したら調子よくなったとしたら、そのセンサーが不良の可能性大です。

逆に、カプラを外すと調子悪くなる場合は、センサーが働いている証拠です。
カプラを外しても、なにも変わらない場合も、センサーが働いていない可能性が大です。

以前こんな事がありました。
「アイドリングは調子よいが、アクセルをいっぱい開けるとガス欠症状のようになり吹け上がらない。 そこでスロットルセンサーのカプラを外したら、調子よく吹け上がるようになった。」

これは、スロットルセンサー不良で、センサーからは、常にアイドル状態の信号が送られ続けた為で、コンピューターはアイドリング状態と判断していて、スロットルを空けても燃料がアイドリング分しか噴射されなかった症状です。

今回の場合、不具合症状が出ていないので、逆にセンサーを殺す事によって、不具合状態を再現しようとしています。

スロットルセンサーコネクターを外しても、若干アイドリングがふらつくくらいで、そんなに影響はない。

スロットルセンサーなしでもエンジンストールまではいかないのでは?

スロットルセンサーを単体点検してみるが問題なさそう。

とにかく不具合症状が出ない事には、よく分からん!

エンジンかけて吹かしてみたり、前後に動いてみたり、いろいろやってみると・・・・・・・

あれ!アイドリングが不安定に!・・・・・・やった調子悪くなったぞ!

・・・・と思ったのもつかの間、いつの間にか調子よくなっちまった。

なんだよ!と思いつつダイアグをもう一度チェックすると、やはりスロットルセンサーを出力!

感じとしては、前後に動かしたら不調になったので、これはもうスロットルセンサー系配線の接触不良だろ!センサーに責任はない!多分。

そこでダイアグチェックの方法を変えます。

TE1-E1ではなく、TE2-E1短絡に変えます。

これは、テストモードで、不具合コードを記憶するのではなく、不具合が生じた場合にチェックランプを点灯させます。
要するにセンサーなどの配線が断線したら、瞬時にランプを点灯させます。断線していそうな怪しい部分を特定するのに便利です。

テストモードで怪しい箇所を触ってみたが、なかなか点灯しない!
最悪、スロットルセンサーから、ECUまで配線を引き直せば解決できるが、それでは本当に直ったか確認しづらい。やはり断線部分を特定したい!

エスティマEFIトラブル修理

スロットルセンサー部分です。

カプラから出ているの配線がかなり急角度に曲がっているじゃないですか!

もしやここでは!配線を引っ張ってみると・・・・

「ビンゴ!」ランプが点灯した!


タコメーター修理

ここだ!強く引くと切れた。

配線が少し長いので、カプラの首で急角度に曲げられていたので、負荷がかかって内部で断線したようだ。


そのまま、ギボシを作り直して刺したらちょうどいい長さだった。

ヤイヤーハーネスがボディーに固定されている箇所からセンサーまでの距離が短く、エンジンに固定されているセンサーはエンジンの振動によって配線の一部に負担がかかるのが断線の原因だろう。

大体エンジンの熱で配線の皮膜ゴムは硬化してしまい割れやすくなります。10年も経過すれば切れる可能性大です!!

おそらく、この車種では多いトラブルと思われる!・・とりあえず完了。

配線皮膜の中は見えないが、外見から断線箇所を予想する事は可能!