- 1G-GT
- 20万キロ走行するとリーク量はどうなっているのか検証
20万キロ走った、GX71クレスタの1G-GTエンジンをオーバーホールします。
オーバーホールしながら、「20万キロ走ったエンジンの実際」を調査していきたいと思います。
エンジンは分解前に、オイル漏れ箇所などをよく観察しながら、きれいに洗浄します。
いきなり汚れたまま分解すると泥汚れが内部に入ってしまい洗浄作業が余計に手間が掛かることになります。
オーバーホール前に外部の泥汚れなどをきれいに洗浄するのがとても重要です。
オイル漏れの箇所はカムカバー後部や、インテークマニホールド、デスビ下部など、ありがちな部分からのオイル漏れで、これは長期間使用していればゴムは劣化しますので、当然オイル漏れが起きます。
でも思ったほどひどい状態ではありませんでした。
さて分解する前に、シリンダーの気密状態を探る為に、リークテストをしてみました。
これは、シリンダーに圧縮空気を送ってどの程度、空気が漏れるかを測定します。
バルブやピストンリングの状態が悪ければ、リーク量は多くなります。
テストは自作リークテスターを使用します。
全くリークがなければ、2本の針は同じ値をさしますが、リークがあれば2本の針の指す値に差が出ます。
その差がリーク量です。
だいたい0.5以内なら合格でしょう。
1G−GT シリンダーリークテスト 結果 | ||||||
。 | NO1シリンダー | NO2シリンダー | NO3シリンダー | NO4シリンダー | NO5シリンダー | NO6シリンダー |
リーク量平均 | 0.35 | 0.32 | 0.48 | 0.39 | 0.41 | 0.56 |
最小リーク量 | 0.30 | 0.29 | 0.47 | 0.36 | 0.31 | 0.50 |
最大リーク量 | 0.40 | 0.35 | 0.50 | 0.42 | 0.51 | 0.62 |
判定 | ||||||
バルブ当たり | ◎ | ◎ | ○ | ◎ | ◎ | ○ |
ピストンの位地でリーク量が変化しますので、最大と最小を計測しています。
全体的に、思っていたよりかなり気密は保たれていると思います。
バルブの当たりは悪くないと思われます。
リングやシリンダーの状態もそれ程悪くないのではないでしょうか。
プラグはこの様な状態でした。
やけ具合は問題ありませんが、カーボンがけっこう溜まっています。
少々オイル下がりによって、混合気にオイルが混ざった結果ではないでしょうか。
あと、一つ気になった事があります。
TVISのフラップが動きが悪いようです。
以前オーバーホールした、1G-GTもフラップが張り付いてしまっていてTVISが効いていないものがありました。
試しに、フラップを動かすバキュームダイヤフラムに不圧(吸う)をかけてみたら、フラップが少ししか動きません。
しかもエアー漏れしているようです。
おそらく、TVISはほぼ効いていなかったと思います。
実際にインマニを外してTVISを取り外したらこんな状態!
まったくフラップが動いていた痕跡はなく、フラップを動かしてみると、カーボンが剥がれ落ちたくらいですので、常に開きっぱなしになっていたようです。
以前フラップが動かなくなっていたものは、閉じた状態で張り付いていました。
長期間動かないと、カーボンが溜まって、フラップが固着してしまうようです。
低回転時はフラップが閉じて、トルクを稼ぐ役割をしているので、ここを直せばもっと加速が良くなる筈ですなー・・・・