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ブヨブヨしたステアリングの感触をブッシュ強化で改善する

クラウンの弱点
高速走行時やブレーキング時にステアリングが「ガタガタぶれる」症状になる原因の一つにテンションロッドブシュ(ストラットバークション)の劣化があります。
ブシュを強化することでステアリングの感触が良くなります。
クラウンのステアリングはどうもブヨブヨした感じがして、しっくりしてない!

もう少し、シャキっと出来ないものか!

「クラウン病」のところでも書きましたが、フルロックまでステアすると、ロアアームが押されてかなり動いてしまい、アライメント変化が大きくなります。

ステアリング

テンションロッドとロアアームとメンバーから出来る、三角形ががっちりしていれば、もうすこし感触が良くなるのでは!

テンションロッド先端のブッシュと、ロアアームブッシュを新品に交換すると、へたっている場合は劇的に良くなりますが、それでもブヨブヨ感は残っています。

まあ、強化ブッシュなどがない以上しょうがないか・・・

リフトアップしている時などは、テンションロッドブッシュが潰れて、下側はかなり隙間が開いている!

ストラットバークッション

テンションロッドのブッシュはロアアームの前後方向の動きを規制していて、このブッシュがへたってしまうと、ハンドルぶれの原因にもなります。

サイドスリップを計測する度に、数値が変化してしまうことがあれば、まずへたっています。

そもそもこのブッシュは柔らか過ぎます。

このブッシュをもっと硬い素材、例えばウレタンなどにしてやれば強化することが出来ます。

そこで、簡単な方法で既存ブッシュをを強化する方法を考えました。

テンションロッドブッシュは、ネジを締めていけば、強く押し付けられ潰れていきますが、中にカラーがあって、締めれば締めるほど、潰れていくわけではありません。

テンションロッドカラー


カラーを3ミリ程カットしてブッシュを強化しました。

カラーを少しカットしてやれば、ブッシュが潰れる量が増えるので、硬いブッシュを入れたのと同じ効果が狙えると思います。

パイプカッターできれいにカットしようとしたら、熱処理してあるのか、全く歯がたちませんでした!
サンダーで削った!

カラーは3ミリ削って短くしました。

以前も、クラウンバンに同じ加工をやった事がありますが、その時は、1,5ミリ削ったので、今回はもっと大きな効果を狙って3ミリにした訳です。

テンションロッド

カラーが短くなると、その分ロアアームが前に引っ張られキャスター角が増えてしまいます。

3ミリ短くなりましたが、実質ブッシュセンターの移動量は半分の1,5ミリです。

テンションロッドのネジピッチは1,5ミリなので、1回転回して、前方に1,5ミリ移動しておきます。

ストラットバークション

そして組みつけてみると、リフトアップ時でも以前より、ブッシュの下側の隙間は小さくなりました。

お!これは期待できるかも!

早速試乗してみました。

低速でフロントタイヤを見ながら、「ガン」とブレーキをかけると、アライメント変化してタイヤの向きが一瞬変わるのですが、

明らかに以前より動きは小さくなっています。

走行してみても、ステアリングのシックリ感は増したように思います。

ステアリングのレスポンスも少し良くなったような!

あと路面のゴツゴツ感がステアリングに感じられる量が多くなったような気きが?

これは、もっと硬いブッシュだとこの傾向が強くなるでしょう。

あまり硬いブッシュだと逆に、ゴツゴツ感が気になったりするかもしれません。

まあ、ほどほどにって事でしょうか!