- クラウン病
- 130系クラウンでよくある症状で、フルロックまでステアリングをきって旋回するとタイヤがズズズ・・と横ずれするような感じでスムーズに旋回できません。
- そのようなクラウン病はナックルアームの角度調整で直ります。
大型ショッピングセンターの駐車場に入ると、上階までぐるぐる回って上がっていくのですが、
曲がる度に、派手に「キーキー!」とタイヤが鳴いてしまう!
スピードも出してないのになぜ?
路面がつるつるしているのもありますが、他の車は鳴ってない!
・・・こんな事が、130系クラウンではよくあります。
私のMS102クラウンもやはりこのような症状になります。!
キーキー鳴くのは、タイヤが横滑りしているからで、旋回中の左右タイヤの向きが適切でないからでしょう!
130クラウンで、「アッカーマンステアリング」について検討しましたが、
MS102も130クラウンとステアリング廻りが全く同じ構造なので、130ほどではありませんでしたがスムーズに旋回できず、小回り出来ません。
ステアリングリンケージに無理な力が掛からない様にする為にも、やはり修正しました。
この方法は、130以前のフレーム車のクラウンには通用するのではないでしょうか!
ナックルアームの角度調整
ハンドルを切った状態のそれぞれのタイヤの向きはナックルアームの角度で決まってしまい調整出来ません。
しかしクラウンの場合、ナックルアームが取り外せるので、取り付け部にシムを噛ませて、角度調整する事が可能です。
まず左右のホイル間をトーインゲージで正確に写し取っておきます。
トーインゲージがなければメジャーでも良い・・できるだけ正確な距離を測っておく。
ナックルアームの取付け部にシムを入れて、ほんの僅かアームが内側を向くようにしてやります。
シムは純正部品で各種厚みがあるので重ねて厚み調整します。
シムの厚さは、いろいろ変えて試してみましたが、1〜2ミリで効果があります。
たくさん入れれば効果が大きくなるわけではなく、3,5ミリ入れたら入れすぎで逆にまたスムーズに曲がれなくなりました。
その車によって違いますが、ひどくなければ1ミリで効果があります。
ひどくても2ミリくらいでよいかと思います。
1ミリくらいでそんなに変わるのか?・・・
・・・と思う方がいるかもしれませんが、アライメントでの1ミリはかなりの変化なのです。
シムを入れた分、ハンドル切れ角が減ってしまいますので、ストッパーのボルトをねじ込んで切れ角を調整します。
ホイルを付けて、トーインゲージで元のトーインになるよう調整します。
リフトアップしたままトーインは計れませんが、シムを入れる前と全く同じ寸法にすれば相対的にトーインの値は同じになります。
その後、テスター場でサイドスリップの調整は必要です。
調整しないとタイヤが偏磨耗します。
クラウンのサイドスリップ調整量について
サイドスリップについてですが、クラウンの場合車高が上がるとトーイン(内向き)になり、 車高が下がるとトーアウト(外向き)に変化します。
例えば、サイドスリップを「±0」に調整してあっても、ローダウンするとトーアウト(外向き)になりますので、調整しないとタイヤの内側が減ってしまいます。
逆にトーイン(内向き)だとタイヤの外側が減ります。
トーアウトだと直進性が悪く、高速などでは、ハンドルがふわふわした感じになってしまいます。
トーインになっている方が、直進性が良くハンドルが安定します。
「±0」がタイヤにはベストかもしれませんが、「イン5」くらいでも良いのではないかと考えてます。
実際、高速を走る時は、家族が乗ったりして車高は下がり気味になりますし、ブレーキをかければフロントが沈んで、これまた車高が下がります。
車高が下がるって事は、トーアウトに変化してしまう事なので、「±0」に調整しても実際はトーアウト気味で乗っている時間が長いのでは!
ベンツやBMWなどは、最初からサイドスリップの基準が「イン7」くらいになっています。
イン7では車検で不合格になりますので、以前は「±0」付近に調整して、逆にハンドリングがおかしくなっていました。
現在は、考慮されて型式認定車では、そのままでOKになっています。
クラウンの場合、イン3〜5くらいがベストだと思います。
0〜アウトは絶対に×です。
サイドスリップの調整は勘では絶対に出来ません!
タイロッドを半回転させただけで、±5くらい変化してしまい非常に微妙です。
テスターで測定しながら調整しないと正確な値になりません。
ほんの僅か、ナックルアームの角度を変えただけで、かなりスムーズに旋回出来るようになります。
ステアリングリンケージ類にも以前より無理な力が掛からなくなるので、 ジョイント類の寿命も延びると思います。
旧車は部品入手が困難なので効果的な対策ではないかと思います。