- ACコンプレッサーのオイル漏れを止める
- ACコンプレッサーからオイル漏れしている!・・通常は電装屋に修理に出すところですが、内部に不具合があってロックしている訳ではなく、単純にオイルが漏れているだけなので、自分で修理してみました。
ACコンプレッサーからのオイル漏れがひどく、オイルがプーリーに付いて跳ね上げられ、ボンネットの裏までオイルまみれになってました。
エアコンが冷えない訳ではありませんが、エアコンシステム内はフロンガスが循環すると共に、潤滑用コンプレッサーオイルも一緒に循環しています。

なのでオイルが漏れるということは、少なからずガスも漏れていることになります。
このまま放置すれば、いずれガス不足になりエアコンが効かなくなります。
古い年式でも電装屋に依頼すれば修理可能ですし、探せば修理済みのリンク品もあると思います。
完全に焼きついてロックしている場合は、電装屋に依頼するしかありませんが、単にオイル漏れしているだけなのでシール類を交換すればオイル漏れは止まるはずなので、自分でやってみることにしました。←初めてです〜
パワステポンプのページでも書きましたが、オイル漏れは故障ではありません!!オイルが漏れているのに平気で乗っているから故障するのです!

ACコンプレッサーのオーバーホール用のシールキットが部品であるのです!
マグネットクラッチを外します。

ボルトを外して一段目を外します。
ほ〜ピストンが3個見えます。このピストンが上下してガスを圧縮するわけですね〜

二段目分離〜
なんですかこれは!メリーゴーランドのようになってます。

ピストンの上下運動は、センターの軸に斜めに取り付けられた円盤が回転することでピストンの上下動に変換されています!
なんかすごくない!きれいだな〜
土星のような・・地球コマのような・・面白い構造になってます。

センターの軸を手で回すと、メリーゴーランドのようにピストンが上下に動いて楽しいんですけど〜
ですけど・・けっこう重いです!ピストンを動かすのに力が要ります。
これで、密閉されて圧力が掛かるとかなりコンプレッサーを回す力が必要だと思います。
エアコンのスイッチを入れるとエンジンパワーが無くなるのも実感として分りました〜

シリンダーの内部もほとんど痛んでいませんでした。

一段目(プーリー側)のユニットですが、この中心に軸が通りプーリーに固定されます。

軸のシールが重要です。

中心にあるのが今回の漏れの原因となっていた軸シールです。

この軸シールはメカニカルシールと呼ばれる物で、
回転軸を磨耗させずに、かつ抵抗にならないように、内部から軸を伝ってオイルが漏れないようにシールドする高度な機能を持った精密部品です。
ただのゴムシールとは訳が違います〜
外車のウォーターポンプを分解修理した時もこのメカニカルシールが軸部部のシールに使われていて交換したことがあります。

新品との比較ですが、古いメカニカルシールはゴムが硬化してしまい弾力性がほとんどありません。
これではオイルをブロックすることは出来ないです。
オイル漏れのほとんどはこの軸部分なので、メカニカルシールを交換すればオイル漏れは確実に止まるはずです。

高速回転する軸をきつく押さえれば漏れを減らすことが出来るが、軸にブレーキが掛かるしシールも軸も磨耗して焼きつき起こします。
軸を軽く押さえつつ漏れを防ぐのは高い技術力が必要だと思われます〜

組みなおして完成!
シール類全部とマグネットクラッチのベアリングも交換しました。
分解はそれ程難しくないです。シール類の交換のみであれば自分で出来ますね〜