- エンジンマウント位置
- MS102クラウンに1JZエンジンを搭載する際に一番の問題は、エンジンマウント位置が違っている為、ブラケットを製作するかエンジンメンバー側を加工するなどしなければ所定の位置にエンジンを収めることが出来ないところです。
- 今回は既存のマウント台は完全に撤去してしまい、1JZ搭載用のエンジンマウント台を新たに設置しました。
まずエンジンを収めるためのマウントを加工する前に、A341E4速ATミッションを搭載して、130G用ミッションマウントブラケットとプロペラシャフトの長さが大丈夫か確認する必要があります。
以前MS102の4速AT化をやっているので、130用でだいたいOKなのは予想できます。
エンジンの位置は、ATミッション位置を決めればおのずと前後方向の位置は決まりますのでそこからマウントが着地する位置を割り出します。
マウントが着地するところに台を溶接して設置すれば良い訳です。
・・・とは言うもののやったことないのでどうやれば良いのか??
マウントはJZ用M用共に、ブラケット形状も、マウントネジ位置もまったく違います。
前後方向の取り付け位置も高さもまったく違っています。;
少しの加工くらいではクリアー出来そうにありません。
MS102のエンジンメンバー部分です。
このメンバーに1JZエンジンを搭載できるようにするにはどうすれば??
M型エンジンのマウント&ブラケットをメンバーに乗せて見ました。
左右の角度が違っています〜
JZS130Gのエンジンメンバー部分です。
MS102との違いはマウントの着地位置が10センチほど前方になる事と、台座が低くて、ブラケットが長い事でしょうか。
JZ側のアルミブラケット&マウントを使えるようにしたいです。
それぞれのマウント位置の違いを比べるために、左右を鉄板でつないでガイドとしてみることにしました。
1JZとM用のガイドを作ってみました。
こいつを使えばエンジンを仮に載せないでもマウント位置がどの辺になるのか見当がつきます。
ガイドを比べてみるとマウント位置がどのくらい違うのかが分かります。
1JZは左右でエンジンを支える位置もずれてますね〜
M型エンジン用ガイドをJZS130Gのメンバーに乗っけてみます。
かなり下のほうになってしまって全く合わないのが分かります。
唯一同じなのはマウント台の角度かな〜ほぼ同じ角度です。
MS102のエンジンメンバーに1JZのガイドを乗せてみます。
だいたいこの辺りに着地しそうですが、全く下面が合いませんし、元からある台座に中途半端にかかってしまいます。
このまま台を伸ばせばいけるかな〜
正確な位置を出すために一度エンジン&ミッションを合体した状態で仮にエンジンルームに納めてみました。
やはり元ある台に中途半端に乗っかってしまうので、エンジン位置が浮いた状態になります。
もっと低い位置に着地させないとなりません。20ミリくらいは低くしないといけない感じです。
元からあるM型用台座部分が若干邪魔です。
中途半端にカットしてみたりもしましたが・・・・
やはり元からある台座は邪魔なのでほぼ撤去しました。
本当は基準がなくなるので撤去したくないんですが・・・
大丈夫か?・・・
台座は撤去しましたが、後ろ側の鉄板を少し残してあります。
この部分にJZ用の台座が乗っかります。
JZS130Gの1JZ用台座です。
このプレートをマウントが着地する位置に溶接します。
しかしJZS130G用の台座なのでMS102のメンバーにぴったり合いませんので加工が必要です。
MS102のメンバー形状に合わせようとすると、台座のプレートは左右で高さを変えることになります。
右側のプレートのほうが20ミリほど高くしなければならないです。
溶接で鉄板を継ぎ足して高さを調整しました。
きれいに溶接すれば見た目も加工したことが分からないと思います。
MS102のエンジンメンバー形状に合わせて台座の加工が完了しました。
左右で高さがこれだけ違います。
1JZ用ガイドにプレートを付けてメンバーにぴったり合うか微調整します。
台座のプレートと下の鉄板がぴったり合うように削って合わせます。
この削りの加工の難易度が高いです。削りすぎるとエンジンが後ろ側に傾きます!
とにかくぴったり合わないと溶接の難易度も上がるしきれいに溶接できません。
完璧にMS102のメンバーにピッタリ合ったら本溶接する前に、エンジン&ミッションをマウント&ブラケット&台座を取り付けて搭載してみます。
そこで台座の位置が良ければ仮溶接してエンジンは降ろします。
そして本溶接します。
なにげにここまで位置合わせや様子見の為にエンジンミッションを4回は載せてますね〜
サーフェーサーを吹いて錆止めします。
1JZエンジン用台座設置完了!
台座のプレートも130用のプレートを使ったので、完全純正仕上がりで何処を加工したのか良く見ても分からないくらいの仕上がりです。
エンジンマウントもアルミのブラケットもJZS130G用が使えます。
感想
今回初めて異型式エンジンのスワップ作業をしたのでエンジン搭載方法については試行錯誤しました。
異型式のエンジン搭載する際に一番簡単と思われる方法は、エンジンミッションを仮搭載して、その位置で合うようにエンジンマウントブラケットを製作してやれば何度も載せたり降ろしたりせず一発で済みます。
エンジンメンバー側の加工もせずに済むので、もちろんこの方法で最初はクリアするつもりでした。
MS102の既存のマウント台を生かして右サイドはブラケット製作で問題なくエンジンを固定できそうでしたが、左サイドが丁度オイルステッキと干渉してしまい、位置的に難しかったのです。
しかたなくエンジンメンバー側を全面的に加工することにしました。
しかしこの方法はどの位置でもエンジンを固定することが可能ですが、正確な位置を出すのが難しいのです。その為にガイドを製作したりしましたが、あくまでも参考にするだけでガイドだけでは正確な位置が割り出せません。
マウント台を溶接した後にエンジンの位置が合わなかったら最悪なので、実際はエンジン&ミッションを何度も搭載してみて様子をみて微調整を繰り返しました。
こんな面倒なやり方は他ではしてないでしょう〜
しかし仕上がりはばっちりだと思います。
加工の跡も殆ど分からないので、知らない人が見たら「1JZがそのまま載るんだ〜」と間違われるかも〜