ホーム > 修理実践記

ハンドルぶれの修理(JZS130Gクラウンワゴン)

不具合の症状
ハンドルがぶれる!いわゆるクラウン病の症状
下り坂でのブレーキング時にハンドルが回転方向にぶれる事がある。
不具合箇所の予想
ステアリング廻りにガタがあるのは確実!
とにかくジョイント部分のがたをなくす事!

エンジンを止めて、ステアリングを左右にきると
、ギヤボックスのつなぎ目のフレキシブルカップリングあたりがガクガクする。

ゴムのカップリングは完全にへたっている模様!

さらにステアリングメーンシャフト内でもガクガクしている感触あり。

フレキシブルカップリングと、その奥のジョイント部分にあるスライド式のブロックベアリングを交換してみることに!

クラウンステアリング修理

ブロックベアリングの交換には、ステアリングコラムアッセンブリーを取り外す必要がある。

とにかく面倒くせい!

地味すぎる修理だな・・・


メーンシャフトのブロックベアリングにはサイズが二種類あったが、
スライド部分も磨耗しているだろうから、迷わず大きいサイズを注文。

もし入らなければ削れば良いだろう!?

クラウンステアリング修理

ジョイント部分は至って簡単な構造だ!
ベアリングと言っても、とても精密なものではなく、二つの金属ブロックが溝をスライドする仕組み。


前後にストロークする必要があるので、がっちり固定できず
、FF車のドライブシャフト内側と同じような役割。

しかし、これではガタが出やすそう!もうちょい何とかならないのでしょうか?

やはりジョイント部分はガタガタしています。

シンプルだけど、ストレートピンが硬くて抜きづらい!
それに差込位置も重要だ。

クラウンステアリング修理

交換後は、大きなサイズのベアリングを使ったせいもあり、ガタはまったくなくなった。


しかしブロックベアリンング交換で、ガタが直らなければ、
ステアリングメーンシャフトをそっくり交換しないといけないのでは!・・・

クラウンステアリング修理

フレキシブルカップリングも交換して、これでばっちりガタはなくなるはず!


取り付け前にもう一度ステアリングを回してチェックしてみると?

まだガタつくぞ!
それも下のジョイント廻りではなく、ハンドル付近でガタがある!

ハンドル角度を変えられるチルトステアリングなので、ハンドル近くにもう一箇所ジョイントがあります。

しかしこのジョイントは、プロペラシャフトと同じユニバーサルジョイントでがっちりしているので
、そんなに簡単にがたついたりしないのでは?

その部分に集中しながら、回してみてもガタついていない!

よくよく試してみるともっと上の部分ががたついている。

このクラウンには、さらに便利機能としてハンドルが前後にスライドする、
テレスコピック式になっとります。

前後にスライドさせる為にスライド部分には、
クランクプーリーの回り止めキーと同じものがあって、溝をキーがスライドする仕組み。

クラウンステアリング修理

どうやらここにガタがある模様!
スライドさせる為には、がっちり隙間がないと動かなくなるので、ある程度のルーズさは必要!


しかし、このガタをなくすには、もっと厚みのあるキーに交換しなければならない。

でもそんな部品、設定されているはずもないので、どうしたものか!

クラウンステアリング修理

どのくらい隙間があるの?とシックネスゲージで計ってみると、
・・・0.09・・・


・・・そうだ、いらないボロのシックネスゲージがあるので、そいつをカットして隙間を埋めてしまえばいい!

多少、スライドさせる際にゲージの鉄板が移動するが、脱落してしまう事はない。

シックネスゲージなので、厚みを超微調整出来るではないか!

という事で、シックネスゲージをハサミでカットしてガタをなくしました。
修理完了!

走行テストでは、クラウン病はみごとに解消されていますし、
今までよりステアリングの応答性が良くなったような!・・・・しかし・・・・・